書籍「眠れなくなるほど面白い社会心理学」のご紹介です。
あらすじ
社会心理学とは、
社会の中での人々の心の動きや行動の法則を解き明かし、
なぜそう感じ、そう行動するに至ったのかを
研究する学問です。
社会心理学が扱うテーマは
「個人の心理」から「個人対個人の関係」、
「集団の中での個人」、「社会現象・社会問題」と
幅広い領域にわたります。
たとえば、人間は個人では決して行わないことも集団になると
行ってしまうということがあります。こうした現象を
社会心理学の観点から問題を解決する糸口を探ります。
読書時間、読みやすさ
読書時間
私の場合、約2時間です。
内容は一つ一つ深いのですが、興味のあった所を読んでいき
興味を持てなかったものは流し見していきました。
読みやすさ
とても読みやすいです。
重要なポイントがマーカーで引かれており、図のある説明で
詳しく書かれているのでサクサクと内容が入ってきます。
印象に残ったところ
① 見て見ぬふりをするのはなぜか?
犯罪が目の前で起き、
複数のひとが目撃しても誰も反応しないことがある。
「誰かがもう報告しているかな?」と考える為。
この場合、多くの人がいるほど人は援助行動を
起こしにくい「傍観者効果」と呼ばれる。
他の人が行動しないことで自分も「緊急事態と認識しない」ことがある。
② あおり運転をしやすい人の特徴
「敵意帰属バイアス」の強い人に多い。
敵意帰属バイアスとは、相手にされた行為を、
敵意や悪意から生じたものと捉えること。
敵意帰属バイアスの強い人ほど攻撃行動に出やすい。
③ 組織の誤った意思決定はどのように起きる?
個人だと正しい判断ができるのに
集団で協議すると間違った判断を下してしまうことがある。
これを「集団的浅慮」という。
集団的浅慮はメンバーの結束力が強く、
反対意見の出にくい閉鎖的な集団に発生しやすい。
集団的浅慮が起きる兆候として、
自分たちは大丈夫という無根拠な過信、
外部からの忠告の軽視、不都合な情報や
反対意見の遮断、といったことが挙げられる。
誤った集団決定を行わない方法として
「悪魔の擁護者」というものがある。
これは、決められたメンバーのひとりが、役割としてあえて
あえて反対意見を述べるというもの。
そうすることで他の人も遠慮なく意見を言えるようになる。
④ 少数派が多数派の考えを変えるには?
少数派の意見を通るポイントは
多数派との共通点が多いことが挙げられます。
多数派が少数派を仲間と考えるようになり、
その上で意見を受け入れるという形になっていく。
⑤ 報酬はやる気を損なう要員にもなる?
物事に対して面白さを感じて行動する「内発的動機づけ」と、
報酬を得るまたは罰を回避するために
行動する「外発的動機付け」がある。
内的な動機づけに対して外的な報酬を与えてしまう行為は
かえってその人のやる気を損なう場合がある。
このことを「アンダーマイニング現象」という。
読み終えての感想
こういう行動をしたことがある、
という内容が盛りだくさんで大変勉強になりました。
他者と比べて取る行動というのはよくある事で、
他者が多ければ多いほど、他者の行動に流されてしまいがち、
というのも納得です。
日常的な例えや過去の実験データを用いて
分かりやすく解説されており面白かったです。
この記事では紹介しきれない、面白い内容はいっぱいあります。
興味ある人は是非!